建設系副産物等の利用検討
大阪湾泉州海岸
目的
建設廃棄物、鉄鋼スラグ、石炭灰、ガラス端材、クラッシャーラン等の建設系副産物等の活用による海底窪地の解消方策を検討する。また、環境再生や防災を目指す中核施設「(仮称)大阪湾環境再生・創造センター」設立に向けた検討を行う。
経緯
世界は環境重視の流れの中にありますが、日本は低成長期に入り、高度成長期に見られた多額の環境対策予算は期待できない状況にあります。このため、大量に排出される建設系副産物等の安全性を確保しながら、これを利用してローコストな海域環境の再生を目指すことが不可欠となっています。
WG9では、建設系副産物等による海域環境改善への活用方策を検討するため、上記委員会を平成28年4月、平成29年1月に開催しました。さらに、検討内容に基づく啓発用リーフレットを作成し、建設系副産物等を活用しながら環境再生や防災を目指す中核施設「(仮称)大阪湾環境再生・創造センター」の設立を提案しました。
「(仮称)大阪湾環境再生・創造センター設立の提案」
令和3年6月、(公社)全国産業資源循環連合会が設置した「建設汚泥再生品等の利用促進に関する検討会」(委員長:京都大学大学院教授勝見武)により報告書が取りまとめられました。
これにより、「建設汚泥再生品」および「廃コンクリート再生砕石」、さらにこの2品目を原材料として製造される「ハイブリッドソイル」を加えた「建設汚泥再生品等」を廃棄物該当性の観点からも利用促進しやすくするため、法制度面及び技術面の検討が行われました。これを踏まえ、令和4年6年27日大阪ベントナイト事業協同組合の製造施設の再生土(通称ポリアース)製造が認定されたため、今後、建設汚泥再生品等の利活用が促進されるものと考えられます。
副産物等の有用化事例
副産物等 | 再生材 | |
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建設系 | 建設残土・建設汚泥等 | ハイブリッドソイル (H.B.S) |
コンクリートガラ | ||
河川・港湾浚渫土 | カルシア改質土 | |
産業系 | 製鋼スラグ | |
石炭灰 | Hiビーズ アッシュクリート |
|
各種ガラス製品及び ガラスパネル・端材 |
クリスタルストーンサンド (C.S.S) |
検討成果と今後の展開
建設系副産物等の海域利用の可能性は高まっており、特にクリスタルストーンサンド(C.S.S)、カルシア改質土、アッシュクリートなどの活用が期待されます。また、国土交通省と環境省が利用を推進するハイブリッドソイルなどの建設汚泥再生品等は、津波や高潮に対する築堤などの防潮施設整備や海底窪地の修復などへの利用が期待されています。
CIFER・コアが提案する「(仮称)大阪湾環境再生・創造センター」は、これらを取り扱う中核施設であり、湾の交通に便利な臨海部での立地に向けた調整を進めます。
委員会 | 【座長】 立命館大学 大学院工学部教授 建山和由 【副座長】 京都大学 大学院教授 勝見 武 |
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構成員 | 大幸工業㈱ / ㈱豊工業所 |
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※委員会の職名等は結成当時