陸と海からのグリーンイノベーション~CIFER・コア~

WG9

建設系副産物等の利用検討


大阪湾泉州海岸

目的

建設廃棄物、鉄鋼スラグ、石炭灰、ガラス端材、クラッシャーラン等の建設系副産物等の活用による海底窪地の解消方策を検討する。また、環境再生や防災を目指す中核施設「(仮称)大阪湾環境再生・創造センター」設立に向けた検討を行う。

経緯

世界は環境重視の流れの中にありますが、日本は低成長期に入り、高度成長期に見られた多額の環境対策予算は期待できない状況にあります。このため、大量に排出される建設系副産物等の安全性を確保しながら、これを利用してローコストな海域環境の再生を目指すことが不可欠となっています。

WG9では、建設系副産物等による海域環境改善への活用方策を検討するため、上記委員会を平成28年4月、平成29年1月に開催しました。さらに、検討内容に基づく啓発用リーフレットを作成し、建設系副産物等を活用しながら環境再生や防災を目指す中核施設「(仮称)大阪湾環境再生・創造センター」の設立を提案しました。


「(仮称)大阪湾環境再生・創造センター設立の提案」


令和5年には、比較的汎用性が高く、他県での使用事例の多いポリアース(再生土)とコンクリート殻などから生産される再生砕石、さらに、今後活用が期待されるHBS(再生土と再生砕石の混合物)を活用した事業化を推進するための検討委員会を設置しました。

令和5年3月に開催した第1回委員会では、京都大学大学院の勝見武教授を委員長として、大阪湾及び周辺海域での環境改善や国土強靭化対策にHBSを活用することを前提に、HBSの製造保管拠点の整備や輸送経路などについても検討を行いました。


副産物等の有用化事例

副産物等 再生材
建設系 建設残土・建設汚泥等 ハイブリッドソイル
(H.B.S)
コンクリートガラ
河川・港湾浚渫土 カルシア改質土
産業系 製鋼スラグ
石炭灰 Hiビーズ
アッシュクリート
各種ガラス製品及び
ガラスパネル・端材
クリスタルストーンサンド
(C.S.S)

検討成果と今後の展開

建設系副産物等の海域利用の可能性は高まっており、特にクリスタルストーンサンド(C.S.S)、カルシア改質土、アッシュクリートなどの活用が期待されます。 また、国土交通省と環境省が利用を推進するハイブリッドソイルなどの建設汚泥再生品等は、津波や高潮に対する築堤などの防潮施設整備や海底窪地の修復などへの利用が期待されています。

再生材は、安全を確保したうえで安価な素材として海域への活用が望まれるため、利用に向け、関係者とのさらなる協議を進めていきます。

平成28年度~

委員会 【座長】 立命館大学 大学院工学部教授 建山和由
【副座長】 京都大学 大学院教授 勝見 武

令和5年度~

委員会 【委員長】 京都大学 大学院教授 勝見 武

構成員 大幸工業㈱ / ㈱豊工業所

※委員会の職名等は結成当時

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