陸と海からのグリーンイノベーション~CIFER・コア~

WG6

ACの環境影響調査


岸和田木材港

目的

アッシュクリート(以下、AC)の水質・底質改善効果を探るため、岸和田木材港の海域にネットに入れたACを投入する実験を行い、環境への影響や生物の付き方について調査する。

経緯

海域への設置状況
海域への設置状況

ACは、火力発電所からの副産物である石炭灰とセメント、少量の海水の混練材料を外部振動により流体化させて固化させたものです。

WG6では、平成28年1月に岸和田木材コンビナート北側貯木場の一角にACを設置しました。ACは固化後、数cm大に破砕したものを小さな網袋に詰め、それをさらに大きなカゴ(縦2m×横1.2m)に20袋入れ、10カゴを水深3m程度の海底に沈めました。その後、貯木場の海水や付着生物等について5年間、定期的に観察を行いました。ACの海域環境改善効果としては、高水温期には硫化物・リンの吸着、水温低下期には生物付着等の効果が認められ、重金属溶出等は確認されませんでした。令和元年10月には10個のカゴを全て撤去し、実験を終了しました。

本件については、令和3年度土木学会全国大会第76回年次学術講演会の第VII部門資源循環(1)で㈱安藤・間の坂本守氏が講演されました。

検討成果と今後の展開

ACの貯木場における水質浄化効果の確認を踏まえ、大阪湾での利用拡大方策の検討を続けます。ACは比重が小さく、底泥上に置いても沈下しにくいため、底質の浄化、海底窪地への浚渫土投入後の表面覆砂等への活用を働きかけます。

構成員 関西電力㈱ / 安藤・間㈱ / ㈱環境総合テクノス / 太平洋セメント㈱ / リマテック㈱ / ㈱関電パワーテック / ㈱三央 / 大幸工業㈱

※構成員の組織名はWG結成当時

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