陸と海からのグリーンイノベーション~CIFER・コア~

WG2

カルシア改質土の効果検証


堺2区北泊地

目的

(一社)日本鉄鋼連盟が堺市の協力のもと、カルシア改質土の敷設実験を行う堺浜人工海浜の一角について、海浜地形の変化、生物への影響等を調査する。さらに、海底窪地の埋戻し材や浅場・干潟・港湾用地・養殖場等の造成用材としてのカルシア改質土の利用可能性について検討する。

経緯

カルシア改質土設置位置
カルシア改質土設置位置

カルシア改質土とは、軟弱な浚渫土にカルシア改質材を混合することで固化させ、強度の発現、水中投入時の濁り抑制、リンや硫化物の溶出を抑制するといった特長を持つものです。

平成24年10月、堺市建築都市局および(一社)日本鉄鋼連盟は「堺二区(北泊地)海域環境改善実験事業における盛土にカルシア改質土を活用した実験計画書」を作成しました。その後、関係機関等と協議調整のうえ、幅21m、奥行18mの区画においてカルシア改質土を基盤とし、その上に覆砂を施した人工砂浜を造成しました。

CIFER・コアは「堺二区(北泊地)海域環境改善実験事業における盛土にカルシア改質土を活用した実験に関する評価委員会」の運営を担当し、平成24年度から環境・地盤への影響を調査を開始しました(平成25年9月からはWG2に移行)。

調査の結果、海底地形の変化、生物への影響等について問題は認められず、令和4年度に最終報告書をまとめました。

また、平成27年10月から、堺旧港にカルシア改質土を基盤としたミニ干潟を造成することに関して、堺市建築都市局、新日鐵住金㈱、㈱日建設計シビルと共に検討を行いました。これを踏まえて「堺旧港におけるミニ干潟造成計画案」を作成し、行政や旧堺港周辺に立地する企業や団体等等(26社・団体)に対しヒアリングを行ったところ、関係者の全てが堺旧港にミニ干潟を創造することに前向きな意向であることがわかりました。また、漁業関係者からもカルシア改質土を基盤とすることを懸念する意見はありませんでした。

検討成果と今後の展開

カルシア改質土の安全性、有効性は堺浜における先駆的な実験から実証されました。また、全国的にも藻場造成、埋立用材、港湾整備関連等への活用が進んでいます。CIFER・コアの実験成果や全国事例を行政、港湾、漁業関係者に広く周知し、大阪湾における環境改善、防災対策用材等としての利用を促進します。

委員会 【委員長】 上嶋英機

構成員 新日鐵住金㈱ / 東亜建設工業㈱ / いであ㈱ / ㈱神戸製鋼所 / 大阪ベントナイト事業協同組合 / ㈱エコプレックス / ㈱ビークラフトサカイ
【オブザーバー】 堺市建築都市局

※構成員の組織名はWG結成当時

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